青色申告の要件「複式簿記」とは/収支と損益の違いと発生主義の考え方/お金が動かないと把握しづらい/売掛金や買掛金の管理方法/販売管理の自動化

会計コラム 毎月の会計仕訳入力の方法

2015.10.11

毎月の会計仕訳入力の方法

青色申告の要件「複式簿記」とは

青色申告の要件として「複式簿記による帳簿の作成」があります。 複式簿記とはある取引の「発生原因」とそれに基づく「結果」を1セットの仕訳というもので表現する方法です。

たとえば、1万円の商品の仕入を行ったとします。
この場合、収支のみの把握(これを単式簿記という言い方をする場合もあります)においては、「1万円の支出があった」という結果のみ把握できますが、 複式簿記の世界では「商品の仕入を行ったため(原因)にお金が1万円減った(結果)」といったように原因と結果の双方から取引を把握します。

これにより単なる収支だけでなく手元に残っている現金やその他の資産などの残高を把握することができます。 つまり、複式簿記では「費用」や「収益」といった損益の動きだけでなく、「資産」「負債」「資本」といった財政状態まで把握できます。 したがって、青色申告では、事業の成果、すなわち、経営成績に直結する損益の動きである「損益計算書」だけでなく、 その結果として残ったお金や他の資産等の財政状態を現す「貸借対照表」の添付も要件とされます。

仕訳の例

財務会計なら電子帳簿保存法対応の「SmileWorks」

クラウドERPシステム「SmileWorks」は、財務会計、販売管理、さらに給与計算が一体となった統合型業務ソフトです。
法制度に自動対応!電子帳簿保存法、インボイス制度もお任せください。


収支と損益の違いと発生主義の考え方

会社は設立後、利益を獲得するため取引を行います。 規模が小さなうちはすべての取引を現金決済のみで済ませても支障はありませんが、 規模が大きくなるにつれ、手元の現金ですべての取引を決済するのが難しくなります。

そこで、掛で商品を購入したり売ったりして、代金はあとから決済する信用取引が始まります。 信用取引では、商品を売った時点では現金入金がありません。商品そのものは相手に引き渡されていますので、商品代金を受け取る権利が発生します。 そのため、この権利が発生していることを帳簿に記さなければなりません。 現金の収支だけでなく、モノやサービスそのものの動きに着目した経理処理を発生主義会計といいます。

青色申告による帳簿の作成は複式簿記を前提としていることから、この発生主義に基づき、当期収益や費用を認識する損益計算を行うことが前提となります。

発生主義=モノやサービスの動きで売上を認識

お金が動かないと把握しづらい

発生主義会計の下では、商品を販売したり、仕入れたりした時点でその代金は未収や未払いとして処理します。
そのため、商品代金が入金されているのに、売上の計上漏れがあり、その入金が不明入金となることや、 仕入の計上がされていないことから代金の支払い漏れが発生する可能性もあります。

また、損益計算書上に計上される利益は、現金の入出金を伴わない利益ですから、利益が出ていても実際には現金がないということも考えられます。 そのため、発生主義による利益とは別に現金の動きにも着目することが重要です。

現金はいくらある?

売掛金や買掛金の管理方法

売掛金は取引先ごとに「得意先元帳」という補助簿を作成し、売上が生じた都度記入します。代金の回収があった場合には、いつの請求分の入金であるかを確認する「入金消込」という作業を行います。請求額と入金額に差異がある場合にはその差異の原因を追求します。

入金が滞っている取引先には、入金の依頼をするなどの対策を講じる必要があるため、正確な残高を把握することが重要です。 これとは逆に、商品代金の支払いを掛による場合には買掛金という債務を負うことになります。 買掛金も取引先ごとに「仕入先元帳」で管理し、支払期日に決済が正しく行われているかを確認します。

振込手数料の負担や材料の有償支給の際の相殺など、支払条件を確認し、支払額に誤りがないかを確認しましょう。

売掛金元帳の例

販売管理の自動化

青色申告を行うためには、入金出金とともに、債権債務の残高管理を行うことが重要です。とりわけ、売上については代金の回収ができないことで仕入の資金が不足し、利益が出ているのに、仕入債務の支払いができず倒産する、いわゆる黒字倒産のリスクが発生します。そのため、請求書の発行などの請求業務だけでなく、請求した債権が期日までに回収できているのかも併せて確認する必要があります。「SmileWorksの販売管理機能」は、請求から回収までの業務を一元管理できる販売管理専用のソフトです。

「SmileWorksの販売管理機能」では、手作業で行っていた請求書の発行がデータ入力により素早く行えるだけでなく、これまで他の帳簿やリストを使っていた販売管理が請求データを入力することによりクラウド上に一元管理できるシステムです。
また、「SmileWorksの会計機能」との連動により青色申告に必要な発生主義の基準による仕訳入力を自動で行うことができます。

SmileWorksの機能をフル活用することで、ハードルの高い青色申告を手軽に始めてみませんか?


得意先元帳の例

得意先元帳の例:請求データを入力するだけで得意先ごとの一元管理ができます。

未入金一覧の例

未入金一覧の例:請求日に応じて未入金債権リストを表示できます。


財務会計なら電子帳簿保存法対応の「SmileWorks」

クラウドERPシステム「SmileWorks」は、財務会計、販売管理、さらに給与計算が一体となった統合型業務ソフトです。
法制度に自動対応!電子帳簿保存法、インボイス制度もお任せください。

ライター
株式会社スマイルワークス
会計、販売、給与業務に関連する便利な情報や、ニュースの解説をお届けしていきます。

毎月の会計仕訳入力の方法 | クラウドERPシステム「スマイルワークス」 TOPへ戻る
青色申告の要件「複式簿記」とは/収支と損益の違いと発生主義の考え方/お金が動かないと把握しづらい/売掛金や買掛金の管理方法/販売管理の自動化
PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com