公開日:2019/08/16
2019年7月11,12日に開催された「会計事務所サミット2019」に出展いたしました。
7月12日には、パネルディスカッション「中小企業を取り巻く環境変化と会計事務所の役割」に弊社の代表取締役社長 坂本恒之も登壇させていただきました。
パネルディスカッションの様子を全3回に分けてお届けします。
・第1回レポート
・第2回レポート(本ページ)
・第3回レポート
■パネルディスカッション「中小企業を取り巻く環境変化と会計事務所の役割」
【登壇者】
・中小企業庁
・金融庁
・全銀協
・坂本恒之(株式会社スマイルワークス 代表取締役社長)
・モデレータ:中井誠 氏(株式会社実務経営サービス代表取締役会長)
会計事務所サミット2019 サイト
https://www.jkeiei.co.jp/summit/
ERP、EDIによる業務プロセス改革
ERPとZEDIを活用することで、売掛債権・買掛債務を発生主義でリアルタイムに管理できる
先ずはERPで何ができるか、ということですが、重要な点は「売掛債権、買掛債務を発生主義でリアルタイムに管理できる」ということです。入出金明細から仕分けを行う、ということは当社の(会計)サービス(クラウド「会計ワークス」)でも他社さんのサービスでも同じようにやってはいますが、入金があってから売上をたてるということなので、発生主義での管理はできません。
つまり発生主義で管理して、資金繰り表の作成を行うのであれば債権債務の管理をする必要があり、そこで消込をするという作業が発生することになりますが、先ほど御紹介のあった「ZEDI」という新しいインフラがここで生きてきます。会計データだけからは、資金繰り表は起こせないのです。なぜなら会計のデータには未来の情報が入っていないから、です。
例えば1000万円の売掛残高があって、そのうち内訳が500万円、300万円、200万円だったとします。これらは会計データ上ではそれぞれの債権として存在はしますが、支払い条件が500万円は今月末、300万円は来月末、200万円は再来月末かもしれません。その情報は会計のデータにはないのです。これでは資金繰り表は作れません。作ろうと思ったら、今の残高は会計データにありますが(販売データから)売掛債権の支払い条件、買掛債務の支払い条件を持ってきて合わせなければなりません。
中小企業には資金管理はとても重要なことなのですが、実際に資金繰り表を作ることはなかなかに難しいのが現状です。なぜなら、人手を使って大きなファイルのExcelを使ってやっているからです。ここを自動化していかなければなりません。
次にEDIでは見積、受発注から始まって仕入、検収、そして最後にZEDIを使って電子請求、電子支払があると自分で出した請求明細がデータで戻ってきます。
例えば入出金データを取り込んであげると、請求書番号001の3項目の30万円と4項目の50万円の、合わせて80万円が入金されたことが明確にわかるようになります。今までは一括で80万円の入金があっても、どの80万円?という消込作業が必要でした。ZEDIを使うと明細単位で入出金データが来るので、100%の消込ができるようになります。ただしその為には受け取った請求データに対して、この項目とこの項目を払うというデータを銀行に送らないといけない、ということです。
画期的なのは、そのインフラを全銀協様で作った、ということで、これを活用しない手はありません。今まで苦労していた消込作業が、解消できるのです。では、これらを合わせるとどうなるの?それぞれのERPで最適化された企業同士が、企業間の取引もEDIで行った場合、ほぼすべての作業が自動化されます。当然、資金繰り表も作成できるのです。
EDIをERPを活用した際の業務削減率と生産性向上
先ほど(中企庁様より)実証実験結果のお話がありましたが、今度は当社内での結果のお話となります。当社側ではEDIに加えてERPを使った付加価値的作業を行いました。その結果、一連の作業を行った場合受注側では▲85.7%、発注側では▲61.0%の業務削減、つまりは受注側では今までの14.7%、発注側では39%の労力で同じ処理ができるということです。
ということは、削減効果のあった85%、61%のリソースを別の付加価値創造の作業に振り分けることで、更なる生産性向上を目指すことができるということです。これは会計事務所様でも同様で、記帳作業が大好きだという方も少しはいらっしゃるかもしれませんが、大多数の方は経営・財務分析や財務戦略、経営コンサル業務の方にシフトしていきたいと考えていると思います。今の作業をこれだけ削れれば、こうした次のステップへ進めていけるのではないでしょうか。
従業員の給料・経費精算におけるERPのZEDI最適化
ここまで入出金の話だけいたしましたが、全体としては従業員の給料や経費の精算も同様にZEDIを使ってできるので、ERPで最適化した全体のイメージはこうなります。
これらの処理を(クラウドERP「スマイルワークス」の)画面で説明しますと、まず発注データを送信します。
相手企業がこれを受信しますと、注文書の形で表示されます(画面は発注書フォーマットに変換したもの)。
受信データは自動的に取り込まれ受注一覧に表示されますので、これを受注登録(確定)すると受注伝票が作成され(自動的に会計仕分けが行われ)ます。ちなみにここまで誰も、手入力をしていません。
次に支払い予定一覧より、支払先(伝票)を選択し直接銀行にデータを送信すると銀行より自動的に送金されます。これは皆様がお使いのインターネットバンキングにわざわざログインしなくとも、OpenAPIという先ほど金融庁様から説明のあった仕組みを使って行われます。
そうしますと、おなじみの入出金明細が自動仕分けされ
残高試算表と資金繰り表が自動的に生成されるというわけです。会計と販売(債権、債務)の情報が合わさって初めて、例えば4か月後とかに資金がショートしそうだ、などというアラートの発報ができたりするわけです(クラウドERP「スマイルワークス画面」では月表示が赤く表示される)。
ここまでやるには会計ソフトだけでは無理なので、販売ソフトと連携させ、しかも銀行の入出金明細データを取り込んで実績と予定を合致させることで実現できます。
今までのお話すべてを図で表現するとこうなります。なんとかEDIをやりたいけど、取引先はFAXなので結局無理、という場合も多いかと思います。
そこで、本日初めて公表いたしますが今夏、おそらく来月(8月)あたりに機能限定の無料版「Free Workes」を出します。
これは(クラウドERP「スマイルワークス」の)ユーザーが取引先に対して、「招待」するという形でご利用いただけるようになっています。他のベンダーも同じようなことを考えてくると思うので、これはこれで私どもの大きなチャンスだと思っています。
最終的には商流と金流をすべてデータで繋いで、銀行は融資とか電子債権とかトランザクションレンディングといったお話が出ましたが、債権の決済が翌々々月なので来週に資金を入れてもらえませんか(債権の早期資金化)、などという話もできるわけです。これは、債権管理ができているからこそ成り立つファイナンスモデルなのです。
業務プロセス改革は時間をかけた「並走支援」が重要
個人的なお話をします。私も中小企業の経営者の一人ですが、会計ソフトを販売していながら実は会計にはあまり興味がありません。(笑)寧ろ債権債務の管理で、今月の売り上げはどうだった、来月の売り上げはどうなる、支払いはできるのか、資金繰りは大丈夫なのか、ということばかりを気にしています。先月の会計結果はどうだったかという報告は聞きますが、頭の中は来月、再来月のことばかりです。
こうした仕組みをサービスとしてご提供するうえで、会計事務所の方へのお願いです。
これらは業務改革、業務プロセスの改革なのですが、でも絶対といってもよいくらい自分だけでやり遂げるのは無理なのです。誰かの支援を必要とし、かつ時間もかかります。ここに「並走支援」と書きましたが、時間をかけて寄り添う形で一緒に走ってあげることで何年もかかる改革を行っていく、これは私が20年間中小企業のIT支援、業務改革支援を行ってきたことからまず間違いのないところで、1週間コンサルすればできるものでは決してありません。それを実施するのは、皆様会計事務所の方々が最も適していると思いますので、ぜひこの激動の5年間の大チャンスに並走支援いただけたらと考える次第です。
(以下、次号に続く)
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この度、当社では、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際標準規格である「ISO/IEC27001」の認証を取得しました。 今回の認証取得により、トータルなセキュリティ面において適切な情報管理体制であ