ITを道具として活用する
本社所在地 | 東京都墨田区両国3丁目25−5 両国第一生命ビル3F |
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代表社員税理士 榎本恵一氏
- クラウドで顧問先のデータを安心・安全に管理したい
- データのやり取りをスピードアップしたい
- 自らクラウドの活用に取り組み、顧問先へ導入を提案したい
- データがリアルタイムでクラウドのデータセンターに自動保存されるためセキュリティが強化された
- 担当者と同じデータに同時アクセスし、それを見て話し合いながら修正出来るのでスピーディーになった
- スマイルワークスを活用しパソコン会計にいち早く取り組んできたことでクラウド活用についても相談したいと期待されている
会計事務所の未来予想とクラウド
企業を取り巻く環境が大きく変わる中、会計事務所に求められるニーズが変化している。未来が見えない状況に直面し、経営者のパートナーとしての存在意義が問われているのだ。長く東京・両国に会計事務所を構えてきた榎本会計事務所。
ここに歯科医院の会計を専門とする福岡の会計事務所が2015年にパートナーとして加わり、税理士法人恒輝が設立された。
最大の理由は、そうした時代の変化に立ち向かうためだと、代表税理士の榎本恵一所長は語る。「クラウドによって常にデータのバックアップが取れることに期待しました。万一の事態に備えることができること、セキュリティ面でも信頼できるところにデータを預けたいと考えました。」
「3年程前から、会計事務所にもより高い品質のサービス、環境への配慮が求められる時代が来ると予測してきました。マイナンバー制度の開始は大きな要因の1つです。会計ソフトもクラウド型への移行が進むと考えていました。」
マイナンバー導入後には情報漏えいに対する安全性などの観点からクラウドが欠かせなくなると、榎本氏は早くから着目していた。そのような折りに会計事務所に適したクラウドサービスとして出会ったのがクラウドERPシステム「スマイルワークス」だった。
ITを道具として活用する
恒輝の前身である榎本会計事務所では、早くからIT活用を進めて投資もしてきた。自社サーバーは20年ほど前から運用している。IT活用のきっかけを榎本所長は次のように語る。
「20年以上前、30歳のころ、会計事務所で仕事をしながら経営学修士(MBA)を修めるため大学院に入学しました。当時、インターネットはすでに登場していましたが、日常的に誰もが活用している状況ではなく、実在の企業の事業戦略を研究し、レポートにまとめる授業では苦労しました。限られた時間の中、ネットで情報収集しながら結果をまとめるうち、ITを道具として使うことの価値に気づきました。」その後、自らの経験を生かし、顧問先の経営者に会計ソフトを使った自計化を提案していった。活用度の段階に合わせ、自動車教習所のようにスタンプや仮免許を用意。達成すると賞品がもらえるといった、モチベーションを高める仕組みも提供したという。その結果、人任せではなく自分たちでデータを扱う経営者が育っていった。「自ら数字を入力することでお金の動きがわかります。1990年代後半までは、キャッシュフロー経営といった言葉が浸透していなかった時代。当時は“資金繰り会計”と呼んでいました。」このような経験と実績が、データを活用した経営支援へとつながっていった。
安全にデータを守る義務をクラウドが実現する
榎本氏は3.11の東日本震災を振り返り、次のように語る。「震災でデータを消失した企業が多かったことが危機感につながりました。災害遭遇時に自社でデータを守ることは簡単ではありません。顧客のデータを安心、安全に守ることは、会計事務所の責務だと思いました。」クラウドERPシステム「スマイルワークス」では、すべてのデータがリアルタイムでクラウドのデータセンターに自動保存される。そのため、社内のパソコンやサーバーでバックアップを保存しておく必要はない。
顧客企業とのデータのやり取りについても、従来はUSBメモリーやメールへのファイル添付などで受け取っていたが、スマイルワークスの導入により一変した。経営コーチの福山慧氏は次のように語る。
「これまでは暗号化してデータを送受信するなどセキュリティに配慮していましたが、クラウドならそのようなことを気にする必要はありません。顧問先の担当者の方と私とで同じデータに同時アクセスし、それを見て話し合いながら修正するなど、スピーディーに対応できます。インターネットにつながってさえいれば、どこからでも利用できるのも便利です。」
パッケージソフトを利用する場合、顧客と同じソフトが入っているパソコンでないとデータが開けないことがある。その点、スマイルワークスは利用するパソコンを問わない。業務の効率アップが期待できる上に、パッケージソフトの導入、バージョンアップにかかるコストを削減できることも魅力だと榎本氏は付け加える。
クラウドでソフトを利用すると、プログラム更新のたびにパソコンにソフトをインストールし直すことなく、常に最新バージョンのソフトが使えるようになる。税率変更といった法令改正にも素早く対応できる。ウイルス感染や不正アクセスなどサイバー攻撃の多くが社内のパソコンやサーバーを標的にしている昨今、安全かつ効率的に会計業務ができるスマイルワークスのメリットは大きい。
データ連携できる統合型システムの強み
スマイルワークスは、財務会計機能、給与計算機能、販売管理機能といった統合型の業務システムだ。企業が行う3つの異なる業務におけるデータを統合して、リアルタイムでキャッシュフローや資産の管理ができる。
同税理士法人では、データ入力などを請け負う株式会社イーシーセンターをグループ会社に持ち、顧問先にサービスを提供している。同社の営業部業務サポート課の田守忠義氏は、クラウド移行へのプロジェクトメンバーとしてスマイルワークスを利用している。
「請求書など各種販売関連の帳票作成のため、スマイルワークスを導入しました。これまでは会計ソフト、販売ソフトともにパッケージ型を使っていましたが、スマイルワークスは統合型ですから見積、納品、請求といった一連の帳票を作成するだけでなく、会計データと容易に連携できることがメリットだと感じています。お金の流れが一目でわかりますから。」と説明する。
現場でもデータの入力や各種帳票が確認できる点にも期待すると田守氏は語る。スマイルワークスはタブレット端末からも利用できるので、飲食店などでも活用しやすいからだ。
セキュリティの高さで評価
同所では会計事務所として自らスマイルワークスを活用し、顧問先へも順次、提案していく計画だ。すでに顧問先からの問い合わせも入っているという。 「パッケージの会計ソフトを使っているとどうしてもタイムラグが出るので、クラウドに移行したいとのことです。パソコン会計にいち早く取り組んできた我々に、クラウド活用についても相談したいと期待していただいています。」と榎本氏。 数あるクラウドサービスの中からスマイルワークスを選んだ理由は、セキュリティの高さだと述べる。「どのサービスもセキュリティ面は安心だと説明していますが、その根拠はあまり示されていません。スマイルワークスは、日経BP社のような技術雑誌で高く評価されているので、安心して顧問先におすすめできます。」 「クラウドについて関心を持つ顧問先は増えていますが、その認知は低い状態です。セキュリティ面に加えて、コスト面での優位性、マイナンバー制への対応などトータルの強みを伝えていくべきでしょう。」
攻めの経営へクラウドを活用
税理士法人恒輝として、来年2016年の夏は勝負の時になると榎本氏は語る。「マイナンバーの活用が本格的に始まります。確定申告をする人も今の3倍以上になることでしょう。消費税の増税もあります。いわば待ったなしの状態です。会計事務所としてのサービスの向上、料金体系の整備、人員増強などに取り組み、積極的に情報を発信していく構えです。クラウドのメリットを生かして、在宅勤務も活用していきたいと考えています。」専門性に特化した会計事務所とのパートナーシップの拡大も視野に入れているという。距離が離れていてもデータを共有してリアルタイムに活用できるクラウド型会計ソフトの強みがここでも生きてくる。
経営者の頼れるパートナーとしての会計事務所を実現するための武器として、スマイルワークスがますます活用されていくことだろう。